屋上にキュービクルを設置

屋上にキュービクルを設置

屋上にキュービクルを設置する際の条件・基準・注意点


ビルや工場、商業施設の高圧受電設備として用いられるキュービクル。
省スペース化や敷地制限の関係で、屋上への設置を検討するケースが近年増えています。


しかし、屋上という特殊な環境に高圧機器を設置するには、
法令・構造・安全・防水といった多方面の条件を満たす必要があります。
「置けるかどうか」だけでなく、「安全に運用できるかどうか」を慎重に判断することが求められます。


この記事では、屋上にキュービクルを設置する際の基準・条件・注意点を体系的に解説します。


1. 屋上設置の基本的な考え方

キュービクルは高圧受電設備であり、内部には高電圧(6,600Vなど)が流れています。
そのため、設置場所は電気事業法や建築基準法などの法令によって一定の基準が定められています。


屋上設置は可能ですが、次の条件を満たしていることが前提です。

  1. 構造的に安全であること(耐荷重・耐震・耐風)
  2. 防水・防錆・防雨対策が確実に施されていること
  3. 保守・点検が安全に行える動線が確保されていること
  4. 関係法令・基準に適合していること


これらを満たさない状態で設置すると、感電や漏電、転落事故、設備故障といったリスクが高まります。


2. 構造・耐荷重に関する条件


屋上設置で最も重要なのが、建物構造がキュービクルの重量を支えられるかどうかです。
キュービクルは内部に変圧器・遮断器・計器類などを収めており、
小型でも数百kg、大型では1〜3トン程度の重量があります。


そのため、設置前に構造計算を行い、

  • 建物の耐荷重(1㎡あたりの許容荷重)
  • 荷重分散の方法(基礎架台の設置や鉄骨補強など)
  • を確認する必要があります。


また、地震時の揺れや風圧による転倒を防ぐため、
アンカーボルトやベースフレームによる固定も必須です。
特に高層ビルの屋上では、風速が地上より強く、
転倒防止や飛散防止対策を強化する必要があります。


3. 防水・防雨・防錆への対策


屋上は常に風雨・日射・温度変化にさらされる過酷な環境です。
そのため、防水対策が不十分だと、雨水侵入による絶縁不良や漏電事故を招きます。


防水設計では、次の点を必ず確認しましょう。

  • キュービクルの下に防水層を貫通しない設置方法を採用する
  • 設置面に水たまりができないよう勾配を確保する
  • 基礎の上に防振パッドやゴム台座を設置し、雨水の滞留を防ぐ
  • 扉や換気口には防雨構造(防水パッキン・防水ルーバー)を採用する


また、塩害地域や沿岸部では、金属部に防錆塗装やステンレス材を使用することで長期耐久性を確保できます。


4. 点検・保守スペースと動線の確保


キュービクルは定期的な絶縁抵抗測定・清掃・部品交換が必要な設備です。
そのため、点検時に安全に作業できる通路・足場・照明の確保が義務づけられています。


屋上設置の場合、特に以下の点に注意が必要です。

  • 扉の開閉方向に人が立てるだけの空間(最低1m以上)を確保する
  • 点検作業時に墜落防止柵や手すりがあること
  • 夜間でも作業できるよう照明設備を設置する
  • メンテナンス機材を搬入できる通路・階段の幅を確保する


また、屋上までの動線が狭い・危険・滑りやすい場合、
点検が十分に行われず、結果的に事故を招く可能性があります。


設計段階から「安全に点検できる環境づくり」を意識することが大切です。


5. 法令・基準に関わるポイント

キュービクルの設置には、電気事業法および建築基準法の両方が関係します。
代表的な基準を以下にまとめます。


まず、電気事業法施行規則第52条では、
「電気工作物は人の接触により危険を生じない構造であること」と定められており、
屋上設置の場合も感電防止措置や施錠管理が求められます。


さらに、一般社団法人日本電気協会が定める
電気設備技術基準の解釈(JEAC 8011)には、
高圧受電設備を屋外に設ける場合の構造・設置間隔・保守条件などが詳しく規定されています。


建築基準法の観点では、
屋上に重量物を設置する際は構造安全性と防水性能を損なわないことが条件です。
場合によっては、建築確認申請や構造設計者の意見書が必要になることもあります。


また、消防法上も、油入変圧器を使用する場合には
防火区画や防油堤の設置が求められるケースがあります。


これらの法令・基準は建物の用途や地域によって細部が異なるため、
必ず設計段階で電気主任技術者・建築士・消防担当者と協議しておくことが重要です。


6. 屋上設置のメリットとデメリット


屋上設置には多くの利点がある一方で、注意すべきリスクも存在します。


メリットとしては、
・地上スペースを有効に使える
・浸水や車両衝突など地上リスクを回避できる
・配線ルートを短縮できる(高層階電源の場合)
といった点が挙げられます。


一方、デメリットとしては、
・防水・耐風・搬入作業などの施工コストが上がる
・定期点検や機器交換がしにくい
・雷害・高温・強風など環境負荷が大きい
といった課題もあります。


これらを踏まえ、「設置可能か」だけでなく、維持管理コストと安全性のバランスを検討することが大切です。


7. 設計段階でのチェックポイント

屋上にキュービクルを設置する際は、
次のような項目を事前に整理しておくとトラブルを防げます。

  1. 建物の耐荷重がキュービクル重量に対応しているか
  2. 防水層を傷つけずに設置できる構造になっているか
  3. 保守・点検時の作業スペースと安全対策があるか
  4. 風圧・地震への固定方法が十分か
  5. 電気事業法・建築基準法・消防法の要件を満たしているか


この5点をクリアにしておけば、施工後のトラブルや行政指摘を大幅に減らせます。


まとめ:安全と法令遵守を両立する設計を

屋上へのキュービクル設置は、限られた敷地を有効に使える便利な方法ですが、
一歩間違えれば感電・漏電・転倒・浸水といった重大事故を引き起こす可能性があります。


設置にあたっては、
・構造の安全性(耐荷重・耐風)
・防水と防錆対策
・点検時の安全動線
・法令と基準の遵守
この4つを確実に押さえることが何より重要です。


屋上設置は「できるかどうか」より、「安全に運用できるかどうか」が最大のポイントです。
事前の検討と設計、そして定期的な点検を徹底することで、
長期にわたり安心して運用できる設備環境を実現できます。

キュービクルのことなら山電へ!

キュービクルは専門店の山電へ — 予算に合わせてプランも豊富!比べてくださいお見積り。そのお見積り大丈夫ですか? 安心の帝国データ54点。中間業者一切なし。だから安心安全ハートフル!

»詳しくはこちら