キュービクルの事故を防ぐには?

キュービクルの事故を防ぐには?

キュービクルの事故を防ぐには? 日頃の点検・整備でリスクを最小化


ビルや工場、商業施設などに設置されるキュービクル(高圧受電設備)は、建物全体の電気を支える「心臓部」と言える存在です。
しかし、その内部には高電圧(6,600Vなど)が流れており、一度トラブルが起これば重大な事故につながるおそれがあります。


実際に、過去には以下のような事故が報告されています。

  • 絶縁劣化が原因の漏電・発火事故
  • 雨水侵入による短絡(ショート)・停電トラブル
  • 動物(ネズミ・ヘビなど)侵入による焼損事故
  • 経年劣化部品からの異常発熱・煙発生


これらの多くは、「突然の事故」ではなく、日頃の点検・整備不足が積み重なった結果です。
本記事では、キュービクル事故の主な原因と、日常点検・整備によってリスクを最小化する方法を解説します。


1. キュービクル事故の主な原因

経年劣化による絶縁不良

トランスや遮断器、母線、ケーブルなどの内部機器は、長年の使用で絶縁が劣化します。
絶縁が弱まると、湿気やほこりを介してリーク電流が発生し、やがて短絡・発火につながります。
特に、温度や湿度の変化が大きい環境では劣化が早まりやすいです。


雨水・湿気の侵入

屋外設置のキュービクルでは、防水パッキンの劣化や排水孔の詰まりが原因で雨水が入り込みます。
内部の鉄部が錆びたり、絶縁部に水が付着したりすることで、高圧回路が短絡する危険があります。
台風や大雨の後に発生する事故の多くがこのタイプです。


動物や虫の侵入

ネズミやヘビ、トカゲ、ゴキブリなどがキュービクルに侵入し、
ケーブルをかじったり、導体間に接触したりして短絡・焼損事故を起こすケースもあります。
これは「アニマルトラブル」と呼ばれ、屋外設置のキュービクルでは珍しくありません。


ボルトの緩みや接触不良

電気設備では、ボルトやナットのわずかな緩みが異常発熱やアーク放電の原因になります。
温度上昇が続くと絶縁部が焦げ、発火につながることもあります。
これは「熱事故」と呼ばれ、定期点検でのトルク確認が非常に重要です。


清掃不良・ほこりの堆積

ほこりや塩分、金属粉などの導電性物質が堆積すると、
湿気を含んだ際に表面放電(トラッキング)を起こす恐れがあります。
特に海岸地域や工場地帯では、定期的な清掃が不可欠です。


2. 日常点検で確認すべき項目

日常点検は、異常を早期に発見し、事故を未然に防ぐための第一歩です。
以下のような項目を定期的にチェックしましょう。


外観・周辺環境の確認

  • 外箱・扉に変形や腐食、塗装剥がれがないか
  • 換気口やドレン孔が詰まっていないか
  • 雨漏り・水たまり・錆跡がないか
  • 周囲に雑草やごみ、動物の巣などがないか


これらは外観だけで判断できるため、電気主任技術者が不在でも管理担当者が確認可能です。


内部の状態確認(停電時または専門業者による)

  • 絶縁油の汚れ・変色・油漏れ
  • ケーブル接続部の緩み・焦げ跡
  • 遮断器(VCB・MCCB)の動作状態・表示ランプ
  • 温度上昇(赤外線カメラによる点検が効果的)


特に、焦げ臭・異音・異常振動などの感覚的サインは、重大事故の予兆であることが多いです。


計器類の確認

  • 電圧・電流計が異常値を示していないか
  • 漏電警報・地絡継電器の作動履歴
  • 無負荷時の変圧器騒音の変化


数値の変化や警報ランプの点灯は、内部の不具合を知らせる“サイン”です。
早めに専門業者へ相談しましょう。


3. 定期整備・点検で行うべき作業

消防法および電気事業法では、高圧受電設備の定期点検を義務づけています。
点検周期の目安は以下の通りです。

  • 日常点検:月1回程度(外観・異常確認)
  • 定期点検:年1回(絶縁測定・清掃・締付確認)
  • 精密点検:3〜6年に1回(部品交換・耐圧試験など)


定期点検では、次のような作業を行います。

  • 絶縁抵抗・接地抵抗の測定
  • 母線・ケーブル端子の増し締め
  • トランス・遮断器の清掃・グリスアップ
  • 温度測定・熱画像による異常診断
  • 防水パッキン・ケーブルグランドの交換


これらの整備は、有資格者(電気主任技術者・電気工事士)によって実施されなければなりません。


4. 点検記録の重要性


事故を防ぐためには、点検記録の蓄積と管理が欠かせません。

  • いつ・誰が・どの項目を・どんな状態で確認したか
  • 交換・修繕・清掃の履歴
  • 異常があった場合の原因と再発防止策


これらを記録しておくことで、劣化傾向の早期発見や保守計画の最適化につながります。
また、事故が発生した場合でも、適正管理の証拠として役立ちます。


5. 安全管理で意識すべきポイント

日常整備において、特に次の3つを意識しましょう。


① 「異常の兆候」を見逃さない

焦げた臭い、うなるような異音、異常な温度上昇など、
小さな異変が重大事故の前触れであることが多いです。


② 「現場任せ」にしない

設備管理担当者だけでなく、経営者や管理者も保守計画に関与し、
点検・修繕費を適正に確保することが重要です。


③ 「見える化」と「教育」

点検表や管理台帳を整備し、社内で情報共有を行いましょう。
また、現場スタッフへの電気安全教育も定期的に実施することで、
ヒューマンエラーを減らせます。


6. まとめ:点検の積み重ねが安全をつくる

キュービクルの事故は、「突然起こるもの」ではなく、
ほとんどが小さな異常を放置した結果です。

  • 絶縁の劣化
  • ボルトの緩み
  • 雨水侵入
  • 清掃不足


こうした一つひとつが、やがて火災・停電・感電といった重大事故に発展します。


日頃の点検・整備を継続し、記録を残し、異常を早期に発見する。
それが、電気設備を安全に、そして長く使うための最も確実なリスク対策です。


「小さな点検が、大きな事故を防ぐ」──その意識こそが、最強の安全対策です。

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