キュービクルの基礎と架台とは?

キュービクルの基礎と架台とは?

キュービクルの基礎と架台とは?安全性を支える構造と設置条件をわかりやすく解説


ビルや工場、商業施設などで使われるキュービクル(高圧受電設備)は、
電力を安全に受け取り、建物内で使える電圧に変換する重要な設備です。


そのキュービクルをしっかりと支えているのが、基礎と架台です。
どんなに高品質なキュービクルを設置しても、基礎や架台の構造が不適切であれば、
転倒・浸水・腐食などのリスクが高まり、最悪の場合は重大な事故につながることもあります。


この記事では、キュービクルの基礎と架台の役割、構造の基本、設置時の注意点を、専門知識がなくても理解できるようにわかりやすく解説します。


■ そもそもキュービクルの「基礎」と「架台」とは?


まず、キュービクルを設置するための下部構造は、大きく「基礎」と「架台」に分けられます。

  • 基礎(コンクリート基礎):地面と接してキュービクル全体を支える土台部分。重量を地盤に均等に伝える役割があります。
  • 架台(鋼製フレームなど):基礎の上に据え付けられ、キュービクル本体を持ち上げる構造体。防水・防錆・通風を目的として設けられます。


つまり、基礎は“土台”であり、架台は“支えの足場”と考えるとわかりやすいでしょう。
この二つが安定して初めて、キュービクルは安全に稼働します。


■ 基礎の役割と構造の基本

キュービクルの基礎は、単なるコンクリートブロックではなく、荷重分散と安全固定を目的とした構造物です。


主な役割は次の3つです。


①荷重を地盤に伝える
 キュービクルは内部に変圧器などの重量物を含み、数百キログラムから数トンに及ぶことがあります。
 その重さを安定して支えるために、鉄筋コンクリート(RC)で構成された強固な基礎が必要です。


②転倒や沈下を防ぐ
 強風や地震時でもキュービクルが倒れないよう、基礎にはアンカーボルトで本体を固定します。
 また、地盤の沈下を防ぐため、地耐力(通常30〜50kN/m²以上)を確認した上で施工します。


③防水・防湿性能の確保
 雨水がキュービクル内に侵入しないよう、基礎の高さを適切に設定します。
 特に屋外設置では、地表から150〜200mm程度の立ち上がり高さが推奨されています。


基礎の形式は、一般的に「独立基礎」「ベタ基礎」「布基礎」などが使われますが、
設置環境(地盤条件・建物構造・荷重)に応じて選定します。


■ 架台(フレーム)の役割と種類

基礎の上に設置される架台には、主に以下のような目的があります。


①通風・排水の確保
 キュービクルの下に空間を設けることで、湿気や雨水を逃がし、錆や腐食を防ぎます。
 地表面に直接置くと、内部が蒸れやすく、配線の劣化や結露の原因になるためです。


②点検や配線作業をしやすくする
 配線や接地線の取り回しが行いやすいよう、床面に一定のクリアランス(100〜300mm程度)を設けます。


③耐震・耐風性能の向上
 鋼製の架台を用いることで、キュービクル本体の荷重をバランスよく支え、
 地震や強風による揺れを分散させます。


架台には、主に溶融亜鉛メッキ鋼材(H形鋼・チャンネル鋼)などが使われ、
錆びにくく、屋外でも長期間の使用に耐える構造になっています。
また、据付後にはアンカーボルトでしっかりと固定し、振動や動きを抑えます。


■ 設置時に守るべき条件と注意点

キュービクルの基礎・架台は、見た目以上に安全性を左右する重要部分です。
施工時には、次のような点に注意する必要があります。


① 地盤の強度確認
設置予定地の地耐力が不足している場合、沈下や傾きの原因になります。
必要に応じて地盤改良や砕石転圧を行い、均一で安定した地盤を確保します。


② 基礎高さと排水計画
屋外設置では、雨水の跳ね返りや浸水を防ぐため、基礎高さを十分にとります。
また、周囲に排水勾配を設け、雨水が基礎下にたまらないように設計します。


③ 防錆・防食対策
鉄骨架台は経年で錆びやすいため、溶融亜鉛メッキ処理を施すのが基本です。
沿岸部や工場地帯など腐食環境が厳しい場所では、ステンレス材や重防食塗装を採用することもあります。


④ アンカーボルトの位置精度
アンカーボルトは、キュービクル本体の固定に直結する重要な部材です。
施工前に位置出しを正確に行い、ボルトのズレや高さ誤差がないよう注意します。
誤差があると設置時に穴位置が合わず、機器の水平が取れなくなります。


⑤ 耐震・風圧対策
地震や台風の多い日本では、耐震設計・耐風設計を考慮することが不可欠です。
構造計算に基づき、ボルト本数・鋼材厚み・基礎幅を適切に設定します。
特に屋上設置では風圧が強く、転倒防止のための補強が求められます。


■ 基礎・架台の点検とメンテナンス

キュービクルの基礎や架台は、設置後も定期的な点検が必要です。
外観がしっかりしていても、見えない部分で劣化が進んでいることがあります。


点検時は、以下の項目をチェックします。

  • コンクリートのひび割れ・剥離・沈下の有無
  • 鋼製架台の錆・腐食・塗装剥がれ
  • アンカーボルトの緩みや錆
  • 基礎周辺の排水不良・雨水のたまり


これらの劣化を放置すると、構造全体の強度が低下し、
最悪の場合は設備が傾いたり、地震時に転倒するリスクがあります。
早期発見と補修が、長期的な安全運用のカギです。


■ 設置・更新を検討するときのポイント

古いキュービクルを更新する際や、移設・増設を行う場合には、
基礎と架台の状態もあわせて確認することが重要です。


たとえキュービクル本体を新品にしても、基礎が老朽化していれば意味がありません。
コンクリートの劣化や鉄骨の錆が進んでいる場合は、
本体更新と同時に基礎補修または新設を検討しましょう。


また、耐震基準の改定により、古い基礎では現在の安全基準を満たさないケースもあります。
その場合は、構造計算をやり直して補強する必要があります。


■ まとめ:見えない部分こそ、安全の要

キュービクルの基礎と架台は、普段目にすることの少ない部分ですが、
設備の安全性と信頼性を支える“縁の下の力持ち”です。


しっかりとした基礎があってこそ、キュービクルは地震・風雨・振動などに耐え、
安定した電力供給を維持できます。


設置時には、

  • 地盤の強度確認
  • 基礎高さ・排水設計
  • 架台の防錆・耐震対策
  • アンカーボルトの精度確認


といった条件を満たすことが大切です。


そして、設置後も定期的な点検を行い、劣化を早期に発見・補修することで、
長期にわたって安全な運用を続けることができます。


キュービクルの性能は、見えない「足元」で決まる。
そう意識することで、より安心で信頼性の高い電気設備管理が実現します。

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